人を育てる 人事考課制度は運用が要


■先週は、静岡に宿泊出張があり、顧問先の社長
と朝5時15分に待ち合わせて靜岡縣護國神社へ
参拝をかねてジョギングをしてきました。


往復6キロ。朝から清らかで引き締まった気持ち
になり、爽快な良い汗をかけました。


ご存じの方も多いと思いますが、護国神社は、
国家や社会のために命を捧げた人の霊(英霊)を
祀(まつ)るための神社で、ほぼ全ての県庁所在
地にもあるので、出張の際は、極力参拝するよう
にしています。







■その静岡の会社で、管理者向けに、人事考課
おいて重要なプロセスである目標統合対話の
ロープレ動画を作りました。


約30分間の動画に上司役として参加しましたが、
あらためて自分のようすを観てみると、恥じ入る
ばかりの体たらくでした。


以前、集中的に技術習得していた頃の動画のレベ
ルを60/100とすると、今回の自己評価は40/100。


惰性に流され、メリハリのないようすは、
緊張感がなくリラックスしているようにも
見えますが、改善点すべき点が多々ありました。
自分を客観視することの大切さを改めて感じた
次第です。





■人事制度を導入したが、上手く機能していない。
というご相談を受けて、制度を精査し、運用方法
を見直すことが年に複数回あります。


共通してお伝えする概要は


1,どんな制度にも目的がある

2,人事考課制度の目的は『人の成長』を
つうじて『会社の成長』につなげる

3,目的達成のために、運用が大切

4,制度という道具に運用で『魂』を入れる

5,運用の主役は被考課者(部下)で、
考課者(上司)は支援者   です。


高いお金を払って制度を導入しても、
今までの課題は解決しません。

どんな(良いと言われる・高い)制度やシステム
もその運用(手間ヒマをかけること)が大切です。





■そのような基本思想をベースに、目標統合対話
を行いますが、目標統合対話の目的は、組織の
目標と個人の目標をすり合わせ、両者のベクトル
を統合するためです。


期首に目標統合対話を行い、業績はじめ、
なりたい人間像、得たい技術や資格など
被考課者(部下)の意向を確認しながら
対話をすすめていきます。


このようにして立てた目標に対して、
部下が行動計画を考えて作り、
上司がそれを確認し、その達成のために
上司が支援できることは、適宜、支援することで
部下が成功~成長していくのです。





■評価制度に対する不満の約半数は、
基準が明確でないこと。


しかし、それは表層的意見で、基準をいかに
こねくり回しても不満の解消にはなりません。


人も、仕事も、気をかけて、対面した量が
その結果につながるのではないでしょうか。
 

以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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人は皆、自分の中に答えを持っている。
ただ、それを引き出すのに手助けが必要なだけだ

ソクラテス(哲学者 紀元前470~紀元前399年)
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『8つの打ち手』と諦めない心


■先週は、仙台〜宇都宮〜長野と仕事で移動し、
自宅で休む日の少ない週でした。


長野では戸隠神社を参拝。
今回は、最も奥に位置する奥社と九頭龍社を
お参りしました。


ご存じの方も多いと思いますが、戸隠神社は
紀元前に建立され二千年以上の歴史ある社です。


神話の舞台にもなっており、約2キロ続く奥社へ
の参道を歩くと、鈍感な自分でも指の先が
チリチリするような感覚があり、国内屈指の
パワースポットといわれていることを体感
しました。


参道は、樹齢300年を超える杉並木が続き、
小さい頃からのクセで、杉の大木を抱いて
数分間目を閉じていると、心がシーンと
静まり返り、幸せな気持ちが満ち溢れてきました。






■1963年に初めて発行された中小企業白書は、
60年以上にわたり日本の中小企業の実態と
課題を提示し、時代とともに内容や分析手法を
進化させながら、中小企業の発展に寄与し続け
ています。


私たち中小企業経営にたずさわる者にとって
価値ある情報が満載で、過去10年のテーマを
みても、時宜に適したものとなっています。


(出所:中小企業白書)





■中小企業白書で共通して取り上げられて
いる内容は

・生産性向上・人材の確保と育成・人手不足対策

・働き方改革・イノベーションと新技術

・事業承継・経営力強化などがありますが


今、自社にとって最適の打ち手は何か?
と問われた時、即座に答えられる方は
そう多くないのではないでしょうか。





■人間が、それぞれ体格や気質、価値観、能力
おかれている環境などが違うように、企業も
固有の事情を有し、個別の対処が必要です。


そのためには、自社の本質的課題をつかむ必要が
あります。


そうです。経営の執行にあたり

『当社にとって、本質的課題は何か?』

を見極めることが重要なのです。





■筆者の体験と研究から、中小企業経営における
『本質的課題』は、概ね8項目に集約されます。


拙著の中で、経営診断から導き出される
『8つの打ち手』として紹介していますが
『8つの打ち手』は、その重要度順に全ての礎となる


①経営者
ここでは、次世代リーダーを含めた事業継承者と
次世代マネジメントチームの組成と育成も含みます。


次に高収益企業の必須要件として、
②経営計画 ③月次決算 ④独自技術・商品・サービス 
⑤人財の採用と育成。


さらに継続的発展のための要件として
⑥社外資源の利活用 ⑦人財の活性化 
⑧継続的未来投資があります。







■実務においては、過去の財務諸表の分析や、
主要メンバーからのヒアリング、組織風土の調査、
市場と競争相手の分析など多面から解析を行い、
会社が達成したい目標や方向性を明確にした上で、
協議をかさねて打ち手を抽出していきます。


これらを経営計画に盛り込んでマネジメント
サイクルを回していくのですが、当初、思い
描いたようになることは例外なくありません。


遠くのゴールを見据え、修正を加えながら、
一歩一歩、近づいていく原動力となるのは、
経営者の諦めない心にほかなりません。


以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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成功とは、失敗に次ぐ失敗にもかかわらず、
情熱を失わないことだ。

ウィンストン・チャーチル
(政治家 1874~1965年)
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ビジョンの力


■先週も土曜日まで仕事でしたので、日曜日は、
夜明け前から起きて、午前中は仕事の充電として、
先週の振り返りと今週の準備。


午後から幕張の浜でジョギング、時間をかけて
ストレッチをほどこし、サウナと温泉を楽しんで、
心身の充電をしてきました。







■この夏、パリ五輪が開催されましたが、
メダルを獲得した選手で、メダル獲得に
対する明確なビジョンを持たない選手は
皆無だと思います。


ビジョン(vison)とは、将来の明確な理想像
ですが、4年の間、自身の全てを捧げた上に、
ケガなどの幾多の困難に直面しても諦めること
なく、習慣を実践し続ける原動力はビジョンの
力によるものです。





■企業経営においても、ビジョンの有用性や運用
方法について多くの情報が氾濫していますが、
ビジョンのもつ力を有効に活用している会社は
そう多くないようです。


それはどうしてなんだろう?と考えてみると、
大きく2つの要因があるようです。





■その第1は、現在のビジョンが心の底から
望むビジョンではないことです。


中小企業の場合、勉強熱心な経営者が、
書籍やセミナーなどで学び、
自社のビジョンを掲げていますが、
それらの多くは型通り、教科書的で、
美辞麗句が多いようです。


そう、現在のビジョンが、経営者が本当に望み、
熱望するビジョンではないのです。


心の底から思ってもいないことを掲げても
それが実現するはずはありません。





■ビジョンの力を活用できていない要因の
2つ目は、作りっぱなしになっているからです。


作ったビジョンは、自分の潜在意識にすり込む
ように、毎日毎日声に出して読み上げることです。


また、人によっては、ビジョンを物語にして
文章化し、持ち歩き、人に話している事例や


ビジョンを図表化し、常に目に付く状態に
している人など


ビジョンを自分の潜在意識にすり込む行為を
習慣の項目として、日々実践することが有効です。





■さいごにビジョンを見直す2つのタイミングに
ついて共有します。


1番目は、会社(個人)のステージの変化です。
会社(個人)の成長にともない、見える景色も
変わってきます。


中小企業の場合ですと、創業から着実に成長し、
一緒に働く仲間が増えて100人を超えた時期
などがビジョンを見直す時期です。





■ビジョンを見直す2つ目のタイミングは
目標の達成時、または未達成時です。


目標未達成時の場合は、立ち止まり、さまざまな
ことを見直すことで、達成への機会となりますし、


目標が達成できた時、たとえば個人でしたら、
目指していた試験に合格した時。昇格・昇進
した時。


会社の場合、数年にわたって取り組んできた
目標を達成した時。株式公開を果たした時など
です。


このような時に、新たなビジョンを設定する
ことで、さらなる成長の大きな原動力となります。


30年以上前にビジョンの力を学び、
ふらつきながらも、習慣を実践し続けて
ビジョンの持つ力を心から実感している次第です。


以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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夢見ることができれば、それは実現できる。
いつだって忘れないでいてほしい。

ウォルト・ディズニー(実業家 1901~1966年)
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店は客のためにあり



■8月17日(土)、台風一過で、
うだるような暑さでしたが、16時から
WEB面談があり、その後も予定が入って
いたので、14時過ぎから走りに出ました。


途中、厳しい環境の垂直面に咲く朝顔と
鉄砲百合のあざやかさに、心をいやされました。







■走り終わって、経口補水液(ポカリスエット)
を自宅近くのコンビニに買いにいきました。


このコンビニは、数年前に40代のご夫婦が
オーナーで開店されましたが、数ヶ月前から
オーナーが変わりました。


以前のお店は、ご主人が常にお店に出られていて
私たち近所の人たちに、気さくに声をかけられ
繁盛していましたが、ご主人の顔色が年々よく
なくなり、大変だな~、人手不足で苦労されて
いるんだな~、と思っていました。





■先週、このコンビニの店内に入ると、
働いていたのは外国人男性が一人でした。


2台のレジのうち、1台はセルフレジに
なっていました。


また、品揃えは、以前はお酒やお総菜など
見ても楽しいものがありましたが、全体的に
種類も少なく、さびしい感じでした。


家に帰り、家族にその話をすると、
オーナーが変わってからのお店は、
以前のような活気がなく、売上は
相当減っているのではないかと話していました。





■人手不足や省力化で、このコンビニのように
セルフレジを導入している店が増え、飲食店でも
タッチパネルを使う機会が増えてきました。


先日も都内の回転すし店に入りましたが、
お会計も含めて、店員さんと会話することは
一度もなく、店を出たときに、食事を楽しんだ
という感覚はゼロで、家畜のようにエサを摂った、
というとてもムナシイ気持ちになりました。


そのチェーン店は余程のことがないかぎり、
もう利用することはないと決めています。





■構造的に長期化する人手不足などへの対応で、
あらゆる業種で、上記のような無機的な状況が
増えていくと推測しますが、私たち中小企業経営
にたずさわる者にとっては、チャンス!と捉え、
企業発展の源としたいものです。


その方策は、極めて単純で

「お客さまが望むものを提供しつづけること」

です。



そして、その提供の最先端を担ってくれている



「社員さんはじめ、働いてくれている人たちを
大切にすること」です。



「なぁーんだ、そんなこと知ってるし、
やっているよ」という方は、成果を出し続け、
業績が上がり続けている経営者です。


しかし、業績をさらに上げたい、
もっといい会社にしたいと思う経営者は、
今より、1~2桁レベルを上げた真剣さで
高みを目指していきたいものです。





■神奈川県川崎市に日本理化学工業という会社が
あります。


「日本で一番大切にしたい会社」大賞はじめ
「しあわせ職場賞」など多くの団体から顕彰を
受け、テレビなどでも再三取り上げられている
会社ですので、ご存じの方も多いと思います。


この会社の一番の特色は、障がい者雇用率が
70%であることです。


現在、従業員数43.5人以上の会社は、
従業員数の2.3%以上の障がい者雇用を
法律で義務づけられています。


法律義務ですから、守らなければ、不足する
障がい者数一人当たり5万円のお金を払う
罰則が適用されます。


まことに残念なことに、わが国の大企業の多くが、
見て見ぬふりをして罰則金を支払い続けているのが
現状です。





■以前、訪問させていただいた日本理化学工業の
敷地内に「働く幸せ」と題した碑があります。

そこには次のような一文が刻まれています。


「導師は人間の究極の幸せは、人に愛されること、
人にほめられること、人の役に立つこと、
人から必要とされること、の四つと云われた。
働くことによって愛以外の三つの幸せは得られる
のだ。私はその愛までも得られると思う」



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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店は客のためにあり
店員とともに栄え
店主とともに滅びる

倉本長治(経営評論家 1899~1982年)
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六然(りくぜん)



■パリ五輪がおわりました。
今回も、五輪のようすを観戦することなく
朝支度をするときにつけているテレビの
ニュースで、その内容を知る程度でした。


気になって調べてみると、今回参加した日本人
選手は410名で、メダル獲得数は45個でした。


一人で複数のメダルを獲得している人もいますが、
単純に、410名-45個=365名。


約365人の選手がメダルを獲得できなかった
ことになります。関わられた方々はじめ、
すべての関係者にねぎらいの意を表します。


今回は、これらのことから感じたことを共有
します。





■今回の五輪に参加した選手の約10パーセントが
メダルを獲得したことになります。


私たちの人生や仕事、経営を考えた場合、
メダルを獲得できなかった90%の選手たち
から学ぶべき点もあるようにかんじます。


中国の明時代の哲学者 崔銑(さいせん)が
説いた教えに「六然訓」があります。
日本でも六然(りくぜん)として多くの
著名人に影響をあたえている考え方です。





■<六然>

自處超然(じしょちょうぜん)
自分自身に関しては何事にも執着せず、
淡々とした態度を心がける


處人藹然(しょじんあいぜん)
人に対しては、相手の気持ちが、やわらぎ
穏やかになるよう接する


有事斬然(ゆうじざんぜん)
事が起こったときは、ぐずぐずせず
一気呵成にテキパキと対処する


無事澄然(ぶじちょうぜん)
問題がないときは、静かな湖面のように
澄んだ心でいる


得意澹然(とくいたんぜん)
うまくいっているときは、淡々とし、
穏やかで、謙虚な態度でいる


失意泰然(しついたいぜん)
失意のときこそ、うろたえずにゆったりと
落ち着いている



上記、六然は、目指すべき理想ではありますが、
聖人君子ではないため、実際に行うのは難しい
ことです。

それでも、思い出せたときには、なんとか
近づけるように心がけています。





■このような考え方に出会い、少しでも身につけ
ようと思うのは、人生の絶頂期や好長期ではなく、


やれども、やれども、結果がでない時や、
どうして自分だけが・・・と思っている
厳しい時期が多いような気がします。


そのような状況の時に、六然のような
ことばに出会い、



傲慢で幼稚な自分に気づかされ、
周囲にむけていた結果の不出来の原因を、
少しだけ自分にむけることで、
気持ちがずいぶんと軽くなる・・・


古くから伝わる言葉には、
このような力があり、
有り難くかんじています。





■人が生きていく指針としてのひとつが六然だと
すると、企業経営においてのそれは、経営理念に
なります。


経営理念はご存知のように、その会社の存在意義
であり、目的です。


あらゆる状況において、まよったら経営理念に
立ち返り、その目的(なんのために)を確認する
ことが有効です。


日常において、勝ち負けや、目標達成、損益に
注意が向きがちですが、目標達成は目的遂行の
手段に過ぎません。


先程の六然ではありませんが、欲得に惑わされず、
目的を見失わずに、ことを進めていきたいものです。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆


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つねによい目的を見失わずに努力を続ける限り、
最後には必ず救われる
ゲーテ(詩人 1749~1832年)
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