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人手不足時代に挑む若手の力と現場力

人手不足時代に挑む若手の力と現場力



■先週の金曜日、かかわっている会社の期首の
全体会議に参加しました。


多くの社員が一堂に集まり、部門を代表して十数
名の方が発表を行う中で、この会社が着実に成長
していることを実感しました。


その成長は、毎年増えている「参加者の数」だけ
でなく、「発表内容の質の高さ」からもはっきり
と伝わってきます。


中でも特に印象に残ったのは、20代の若手社員
たちによる発表です。


どの発表も内容が素晴らしく、
「やはり次の時代を切り拓いていくのは
若い世代なのだ」と、改めて強く感じる機会と
なりました。





■先月、労使交渉の結果として、正社員の
「ベースアップ(基本給の底上げ)」と
「定期昇給」を合わせた賃上げ率が発表され
ました。




これまでの30年間は、1〜2%で推移してきた
賃上げ率ですが、報道によると、今年も昨年に
続き2年連続で5%を超える見通しです。


5%を超える賃上げは、1990年のバブル経済
末期(5.7%)以来の水準であり、マクロ経済の
流れが大きく転換しつつあることを示しています。





■また、人手の過不足を示す
「雇用人員判断DI(Diffusion Index)」という指標
からも、深刻な状況が読み取れます。




日本銀行が四半期ごとに公表しているこの指標を
みると、2008年のリーマンショック後は一時的に
人手が余っていましたが、2013年以降は一転して、
慢性的な人手不足が続いています。


特に中小企業ではこの傾向が顕著で、全体平均
よりも5〜10ポイント低い数値が続いており、
2023年には中小企業・非製造業で「▲47」と
いう過去最大のマイナス値を記録しました。
これは、深刻な人手不足を象徴するものです。





■そのような厳しい環境下でも、私たち中小企業
が、確かな成長をし続けるための処方箋として、


「人手不足時代の5つの打ち手」と題し
以前の本欄で以下の通りご紹介しました。


これらの打ち手は、比較的経費もかからず、
着手しやすい順に表記しています。





1,既存人員の生産性向上

2,業務の見直しによる効率化

3,F・E・D人財の活用(女性・高齢者・障がい者)

4,自社で求める人財を育成

5,労働条件の改善(給与・時間・環境など)





■冒頭でご紹介した会社でも、全体会議の発表
テーマに「生産性向上」が選ばれていました。


この会社は典型的な労働集約型の業種であるため、
このテーマは社員が自ら考え行動するきっかけに
なるとともに、生産性向上に対して衆知を集める
極めて効果的な取り組みです。


特に印象的だったのは、会社の中核を担う、
直接部門で活躍する20代の若手社員による
発表です。


若い世代は「コスパ」や「タイパ」といった
効率重視の傾向が強いと思われがちですが、
今回の発表では、地道な努力や継続的な取り
組みを大切にする姿勢が伝わってきました。


内容は、現場を大切にし、自ら動き、対話を
重ねながら信頼関係を築いていくというもの。


派手さはありませんが、あえて時間と手間を
かけて信頼を築く道を選ぶ若者たちの姿勢に、
頼もしさと可能性を見出した次第です。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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速く行きたければ一人で行け。
遠くへ行きたければみんなで行け。

出所:アフリカのことわざ
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