会社の寿命を超える繁栄の条件とは
■先週の水曜日は、終日、セミナー受講でした。
参加者の9割以上が経営者という熱心な場で、中
にはメディアでもよく拝見する70代の著名な方
もいらっしゃり、何歳になっても学ぶ姿勢に刺激
を受けました。
当日は、京都大学名誉教授など3人の講師による
講義で、すぐに役立つノウハウというより、深く
本質を考えさせられる内容でした。
今回は、その学びの中から特に感じ、考えたこと
を皆さまと共有したいと思います。
■講義テーマの一つは
「ローマ帝国はなぜ滅びたのか」です。
その中で、国家の形態が歴史的に循環するという
『政体循環論』という言葉を初めて知りました。
■この講義を聴きながら、筆者の頭に浮かんだのは
「企業ライフサイクル理論」です。
ご存じの方も多いと思いますが、この理論は、
企業は人間と同じく、時間とともに以下の4段階
を経ることを説いたものです。
創業期
↓
成長期
↓
安定期
↓
衰退期
皆さんの会社は今、どの段階にあるでしょうか。
■会社の寿命は、一般的に30年と言われていま
すが、東京商工リサーチが2024年に実施した
調査によると、倒産企業の平均寿命は23.2年と
いうデータもあります。
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201208_1527.html#:~:text
この厳しい現実をまえに、私たち中小企業経営に
かかわるものにとって、会社を永きにわたり繁栄
させ続けるために、どのようなことを考え、実行
していけばよいのかを考えてみます。
■いろいろな切り口や、考え方がありますが、
筆者は、リーダーの心の姿勢(あり方)が重要と
考えます。
とりわけリーダーの
「修身(倫理的規律)」と
「求道(理想の追求)」の姿勢こそが、
組織の永続性を決定づける根幹だと確信しています。
■リーダーの「修身(倫理的規律)」は、会社の
腐敗を防ぐ免疫システムのようなものです。
今回の受講では、組織が成長期に入った際にリー
ダーが権力を私物化し、独裁的になったことで腐
敗が進んだ事例を聴きました。
この物語は、筆者の過去の実体験と重なり、深く
納得できるものでした。
これは現代の倫理的リーダーシップ論でも、組織
の健全性を保つ基盤として裏付けられています。
■一方、リーダーの「求道(理想の追求)」
姿勢は、企業が成長期から衰退期へすすむ、
通常のライフサイクル軌道の危機から引き離す
「原動力」になります。
リーダーが市場の現実や会社の使命を深く考え、
「このやり方はもう古い」と、過去の成功に安住
せず、自ら見直し、変革を続ける。
この姿勢こそが、会社(組織)を常に新しく生ま
れ変わらせるのです。
■会社の免疫システムである「修身」。
そして成長の原動力である「求道」。
これらは、一度到達して終わりではなく、
常に自己と向き合い続ける
生涯の「学びの道のり」だと深く感じています。
自身がこの重要な二つの姿勢を忘れることなく、
これからも生涯、謙虚に自己を律し、理想を追求
する歩みを丁寧に続けていきたいと思った受講で
した。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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動機善なりや、私心なかりしか。
稲盛和夫(経営者 1932~2022年)
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