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日常

売上2倍・利益16倍を生んだ『人間力投資』の真価

■わが家の駄犬、千里は今年で十四歳になります
休日の朝から晩まで、家で動き回る家内の後を、
ただひたすらついて歩いています。彼の健気さに
は頭が下がる思いです。


しかし、誰に似たのか、どうにも食い意地が張っ
ていて困ります。


また、この犬は腰のマッサージが好きなようで、
手を伸ばすと、まるで「ほらよ、揉め」と言わん
ばかりに、当然のように腰の辺りを向けてきます。
あの横着さには、まったく呆れるばかりです(笑)





■先週は10年以上前から顧問をしている会社の
役員幹部合宿がありました。


ご縁をいただいてから始めたこの合宿会議。
年々その内容が進化しており、それは、会社の業
績に明確に表れています。


10年前と比べ、売上が2.1倍、利益が16.5倍に
なり、一人あたり経常利益額は743万円と、上場
企業平均370万円の2倍以上の高収益体質になっ
ています。





■この会社の合宿会議に参加し続けて、今回、筆
者が説く、


<経営=心+科学>
の大切さをあらためて強く実感しました。



ここでいう「心」とは、はたらく人の人間力であ
り、品性やEQ(心の知能指数)の高さで、
「あり方」とも言います。


一方、「科学」とは、主に合理的な分析、財務の
健全化、戦略的な施策、そしてデータに基づいた
改善などで、「やり方」のことです。


今回、ホテルの会議室に参集した12名の役員幹
部の発言の内容やたたずまい等から、彼らの人間
力が、確かに成長していることが強く伝わって来
ました。





■この会社の着実な発展は、「心」と「科学」が
ともにバランスよく成長している証左です。


残念ながら、一般的な多くの会社では「科学」の
部分、つまり、「やり方」の表面だけをなぞって
経営をしているつもりになり、その結果は、赤字
企業が、国全体の約6割という厳しい現実につな
がっています。


この会社の場合、科学の軸となるマネジメントサ
イクルを地道に回し続けると同時に、一見、無駄
と思われる社員さんの人間力向上に投資し続けて
いることが発展し続けている大きな要因です。





■ここで、筆者が20年以上、家族で利用してい
た温泉宿での体験を思い出しました。


その宿は、しつらえや景観が良く、料理も美味し
いので、毎年利用していました。


しかし、昨年、親しい友人夫妻と利用した際、
いつもの接客担当者がいなかったことで、少なか
らずガッカリしたのです。



■対応以外は、以前とさして変わらず、対応その
ものも、それほど悪くなかったのですが、


今まで接客してくれた方がいらっしゃらなかった
ので、その方がしてくださっていた心遣いのあり
がたさと、無意識のうちに比べていたのです。





■私たち中小企業には、大企業のような、有効な
特許や差別化されたビジネスモデルを持つ会社は
それほど多くありません。


だからこそ、「人」が最大の財産であることはい
うまでもありません。


では、その「人」に対して、どれほど関心を持ち、
その成長に投資を含めた手間ひまをかけているか
というと、胸を張って「うちは合格!」といえる
会社は、ごく少数ではないでしょうか。





■「心遣い」は、単なる精神論ではありません。
温泉宿の事例が示すように、お客様の心に残るの
は、科学的な効率ではなく、人の「心遣い」とい
う付加価値です。


この無形の財産こそが、お客様から選ばれ、価格
競争の中で優位に立つ唯一の道だと考えます。


社員の人間力向上に手間ひまをかけることこそ、
最も合理的で、最もリターンが大きい「科学」的
な経営なのです。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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「事業の究極の目的は、人をつくることにある。
人をつくる努力を怠れば、事業はたちまち衰退してしまう。」

松下 幸之助(日本の実業家/1894~1989年)
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