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一点に絞る勇気が、会社を強くする

■先週は月曜日の静岡県からはじまり、金曜日
は名古屋、土曜日は京都の顧問先での仕事を終
えました。

その後、家族と合流して奈良へ行き、国立博物
館などを見学してきました。


とくに印象的だったのは、今から700年ほど前
につくられた金剛力士立像です。高さ5メート
ルを超えるその姿は、見上げるだけでも圧倒さ
れるほどで、劇的な表情と全身にみなぎる力強
さに、思わず息をのみました。


ふだんは門の外から見上げることしかできない
像ですが、現在は仁王門の修理期間中というこ
とで、特別に近くで拝観することができます。


ごく近い距離から、周囲を何度も回り込みなが
ら鑑賞することができ、つくられた人の強い情
念や、卓越した技術が、時を超えて伝わってく
るように感じました。




■今回は、読まれた方も多いと思いますが、
名著『ビジョナリーカンパニー2』で説かれて
いる考え方を、私たち中小企業経営に当てはめ
て考えてみたいと思います。


2001年に出版されたこの本。当時の会社経営
に活かした後、繰り返し何度も読み活用してい
ますが、多くの会社でその考え方は成長の原動
力となっています。





■その考え方とは「三つの円」という概念です。


これは、著者ジム・コリンズの研究チームが
1,435社から、市場平均の3倍以上の業績を
15年維持した「飛躍企業」11社を特定。

同じ条件で飛躍できなかった企業と比較し、
膨大な記事やインタビュー、財務データを
5年の歳月をかけて徹底的に分析した結果、
導き出されたものです。



その「三つの円」とは、次の三点です。


1,自分たちが情熱をもって取り組めるのは何か
情熱の対象は、経営理念や理想の将来像です。


2,自社が世界一になれるのはどの分野か
中小企業の場合、必ずしも「世界一」である
必要はありません。

 「県内一」「市内一」、あるいは
 「対応スピード一番」「困りごと解決一番」
といった形でも十分です。


3,経済的原動力(収益エンジン)になるのは何か
この点については、下表で整理しています。






■ここで、経営の現場でよく見られるのが、
社長が「うちは何でもできます」と言ってしま
うケースです。


その結果として、
「売上は大きいが、手間がかかり、利益が
ほとんど残らない仕事」や、


「社員さんの時間が、利益につながりにくい
業務に取られてしまう」
といった状況が生まれがちです。


中には、社員さんが残業までして、結果的に
赤字となる仕事をこなしている例も見受けら
れます。


そこで、このような事例をなくすためにも
「これさえ追えば会社は良くなる」という指標
一つに絞ることがとても大切です。





■私たちはつい、「あれも、これも」と多くの
ことを追い求めてしまいます。


しかし、それでは「骨折り損のくたびれ儲け」
になりかねません。


「この一点においては、大手企業にも、近隣
地域の名門企業にも負けない」

そう言い切れる、自社ならではの道しるべを
見つけることができれば、百年先も続く会社
づくりの、大きな柱になります。


冒頭でご紹介した金剛力士立像をつくった大仏
師・康成(こうじょう)も、大仏制作という一
点にその人生を絞り込んだことで、数百年後の
私たちにまで、その心を伝えることができてい
るのではないでしょうか。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も皆さまにとって、
最良の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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ナンバーワンより、オンリーワンを目指せ。
オンリーワンになれば、
結果としてその分野のナンバーワンになれる。

堀場雅夫(堀場製作所 創業者 1924~ 2015年)
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