人を増やす経営から、価値を高める経営へ
■先週の仕事は静岡県から始まり、今週日曜日
に都内のホテルで開催された社員総会への参加
と、休むことなく仕事ができました。
当社は5月決算ですが、今年度の出張日数を確
認したところ、年間143日に達していました。
多くの方々から必要としていただいていること
そして、それに応えられる心身を授けてくれた
両親には、あらためて感謝の気持ちです。
今回は、移動時間に感じたことをきっかけに、
これからの中小企業経営について考えてみたい
と思います。
■出張の際に便利に利用させてもらっている
新幹線ですが、最近は外国からの旅行者の姿が
以前にも増して目立つようになりました。
調べてみましたら、コロナ禍で一時的に大きく
落ち込んだ訪日客数は、その後回復を続け、
昨年は過去最高を記録しています。
さらに政府は、2030年には現在の1.4倍に相当
する6,000万人を目標に掲げ、さまざまな施策
を推進しています。
■つまり、外国人旅行者の増加は、一時的な
流れではなく、今後も続く可能性が高い未来と
言えそうです。
同じように、ほぼ100%の確率で起こる未来に
労働力不足・国内市場縮小・地方衰退などがあ
ります。
こうした変化を単なる不安材料として見るので
はなく、一度立ち止まって考えることが、私た
ち中小企業の次の成長につながるのではないか
と感じています。
■これまで多くの中小企業は、創業以来の成功
体験を土台に、
「人を増やす」
「低単価でも件数を積み上げる」
「特定の人に依存する」
という形で成長してきました。
もちろん、それによって築かれた価値も数多く
あります。
ただ、これからの時代を考えると、
少しずつ方向転換が必要になるかもしれません。
■筆者が考えるこれからの中小企業の向かう
方向と順番は、以下のとおりです。
高粗利
↓
高生産性
↓
少人数運営
↓
高単価
↓
高自由度
会社がこれから北へ向かうのか、東へ進むのか。
社員さんやお客様、地域、取引先など、多くの
人たちを幸せにしていくためにも、経営者には
時代の流れを読みながら舵を取る役割が求めら
れているように思います。
■分かりやすい例として、同じ清掃業でも
異なる市場を耕す2社で考えてみます。
A社は一般家庭向けハウスクリーニング。
この市場は価格比較が起こりやすく、
人手への依存度も高いため、
単価を上げにくい特徴があります。
売上を伸ばそうとすると、
件数増 → 人員増 → 管理増
という流れになりやすく、労働集約型へ進み
やすい傾向があります。
一方で、B社は半導体工場や医療施設向けの
特殊清掃を手掛けています。
こちらは、
・高い専門性
・認証や品質管理
・信頼性の重要性
・ミスコストの大きさ
・代替しにくさ
といった要素があり、少人数でも高い付加価値
を生みやすい市場です。
同じ「清掃業」であっても、
どの市場で価値を提供するかによって、
経営の姿は大きく変わってきます。
■先ほど、これからの中小企業の向かう方向
として、
順番の最初に「高粗利」としましたが、
「高粗利」とは値上げだけではありません。
本質的な「高粗利」の追求は、
どんなお客様にどんな価値を提供するのか、
つまり、どんな市場で戦うか、の深い問いから
得られる会社繁栄の道筋なのです。
以下、清掃業者2社の方向性と数字を整理してみました。
■この激動の時代は、私たち中小企業にとって
絶好の成長チャンスだと考えています。
なぜなら、中小企業は、意思決定が速い・
ニッチに特化できる・既得権が少ないなどの
強みを持っているからです。
経営とは、目の前の数字を追うことだけでは
なく、少し先の未来を見据えて方向を決める
ことでもあります。
キーワードは、
「どれだけ少人数で、高い粗利を生めるか」
そして、
「どんなお客様にどんな価値を提供するのか」
の二つです。
この問いを持ち続けることが、これからの
中小企業経営においてますます重要になって
いくと感じています。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も皆さまにとって、
最良の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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企業の目的は顧客の創造である。
ピーター・ドラッカー(経営学者1909~2005年)
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