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社員さんの時間の使い方が、会社の未来を決める

■先週末、大学生の息子が結婚式に参列しました。
話を聞くとご祝儀は事前振込とのこと。


ウェブ招待状と連動し、出欠回答もオンライン
で済ませています。デジタルネイティブのZ世
代らしい合理的なやり方に感心しました。


今回は、この出来事から考えたことを共有した
いと思います。



■今週、この話を何人かの方にすると、30代
前半の男性から「以前、友人の結婚式で受付を
担当した際、多額のご祝儀を預かることが精神
的な負担だった」という話を聞きました。


確かに事前振込であれば、当日の受付業務やご
祝儀の保管・集計といった手間はなくなります。


しかし、意外なことに、この方法に積極的に
賛同する人はほとんどいませんでした。


理由は皆さん共通していて、「結婚式らしさ」
や「人の温かみ」といった情緒的な部分にあり
ました。






■結婚式は人生の節目となる大切な儀式です。
ですから、合理性だけでなく、情緒的な側面を
大切にしたいという気持ちも十分理解できます。


一方で、合理性や生産性が求められる会社にお
いては、見直すべき不合理な慣習が今も数多く
残っています。


例えば、紙とハンコへのこだわりです。
社内稟議では、多くの書類を紙で出力し、
上司、部長、役員へと順番にハンコをもらう
「社内スタンプラリー」が今も行われています。


中には、「上司への敬意を示すため、ハンコを
少し斜めに押す」という独特のマナーが残って
いる会社もあります。





■その他、明確な目的を定めず、参加者の多く
が発言をしない、あるいはほとんどしない会議
などがありますが、わけても、もったいないと
思うのが、社員さんの生産性向上に対する認識
です。


例えば、経理総務などの間接部門は、20年前
とほぼ変わらぬ業務フローで仕事を処理してい
ます。





■また、現在複数の会社で進行中の営業部隊の
生産性向上についても、営業パーソンのコア業
務である「商談時間」は、勤務時間の10~30%
程度にとどまっています。


その一方で、会議、社内調整、見積書や提案書
の作成、移動などに、50%以上の時間を費やし
ているケースも珍しくありません。


私たち中小企業では、社員さん一人ひとりの
業務時間を計測したことがない会社が大半で
はないでしょうか。


しかし、見方を変えれば、それだけ改善の余地
があり、利益を生み出す「伸びしろ」が残され
ているとも言えます。





■以前訪問させていただいた会社で株式会社
ランクアップという会社があります。2005年
創業のこの会社、2025年の売上高は144億円。


社員数は約100名で、社員一人あたり売上高
は1.44億円。もちろん黒字経営です。


創業者で現社長の岩崎裕美子さんは、それまで
勤めていた会社で、毎日終電まで仕事をし、社
員さんが次々に辞めていき、ご自身も心身とも
に疲弊した経験をされています。


その経験から、

「社員さんが辞めない会社にしたい」


「早く帰れる会社にしたい」という強い思いで


この化粧品通販会社を立ち上げました。





■同社の高い生産性の源は、上でご紹介した
岩崎さんの強い意志です。


その意志をベースに創業当初から徹底して取り
組んできた

「仕事の進め方の標準化」と

「仕事の見える化」です。




全ての部署で定期的に業務の棚卸しを行い、
それぞれの仕事を、

・やめるべき仕事

・自分より適した人に任せる仕事

・外部に任せる仕事

・自分が取り組むべき仕事
に分類しています。


そして、ルーティン業務や誰でもできる仕事は
積極的にアウトソーシングし、社員さんには付
加価値の高い仕事に集中してもらう仕組みをつ
くっています。


その結果、社員一人ひとりの知的生産性が高ま
り、短い労働時間でも高い収益を生み出す企業
体質を実現しているのです。





■結婚式では情緒を大切にすることも必要です
が、会社経営においては「昔からこうしている
から」という理由だけで非効率を放置すること
はできません。


今ある仕事のやり方を一つひとつ見直し、社員
さんの時間をより価値の高い仕事(時間単価以
上の仕事)へ振り向けることが、これからの中
小企業の成長を大きく左右するのではないでし
ょうか。


そして、


「何を増やすか」よりも、


「何をやめるか」。その決断こそが、


これからの企業競争力を決めるのだと思います。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


今日も皆さまにとって、
最良の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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完全であるとは、もはや付け加えるものがない
状態ではなく、もはや取り除くものがない状態
である。

サン・テグジュペリ(小説家 1900~1944年)
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