『誰をバスに乗せるか』が会社の未来を決める
■今週日曜日の日経新聞2面に、
「怒る指導は手抜きの指導」と題して、
元バレーボール日本代表の益子直美氏の
インタビュー記事が掲載されていました。
記事の中で益子氏は、「怒ることで人を従わせ
ることはできても、自ら考える力や主体性は
育たない」と述べ、
「支配型」の指導から「伴走型」の指導への
転換の必要性を訴えていました。
今回はこの記事を読んで考えたことを共有し
たいと思います。
■学生スポーツや教育の現場では、この考え方
が大きな成果を生む場面も多いでしょう。
一方、中小企業の現場で、日々汗をかきながら
仕事をしている経営者やリーダーの「本当の苦
悩」は、もう少し複雑です。
もし正論や理想論だけで組織が動くなら、経営
者も幹部も苦労はしません。
■現場において見られるうまく行っていない
3つのパターンを列挙してみると以下のよう
になります。
1, そもそも、問題社員やその背景などに気づいていない
好ましくない数値や状態の真因である、「現場の実態」や「人の本質」、社員が抱えている事情や心の状態が見えていない
2, 問題は分かっているが、オペレーションが回らないから背に腹は変えられぬ
問題は認識しているが、人手不足や目先の業務を回すため、問題社員に目をつぶっている
3, そしていつまでも、モグラ叩きを続けている
怒りをぶつけたり、軽い懲罰を与えたりするものの、根本的な解決には至らず、同じ問題が何度も繰り返している
■このような現実に対し、多くの企業は研修や
人財育成で解決を図ろうとします。
もちろん、それ自体は大切なことです。
しかし、残念ながら、それだけで根本的な解決
に至るケースは決して多くありません。
なぜなら、価値観や目指す方向が大きく異なる
人に対して、いくら教育を重ねても限界がある
からです。
また、組織開発の一環として、関係性を良くす
るために1on1を実施しても、「この人に辞め
られたら困る」と思いながら、腰の引けた状態
で何時間話しても先には進みません。
■ビジネス書のロングセラーである『ビジョナ
リカンパニー2(2001年)』という本に
「誰をバスに乗せるか」という有名な言葉があ
ります。
この言葉は精神論ではなく、膨大なデータ分析
から導き出された「企業の命運を分ける法則」
です。
つまり、価値観や目指す方向を共有できる人と
一緒に組織をつくる。それが、強い会社づくり
の土台になるという冷徹な事実です。
■本質的に「価値観」や「めざす方向」が異な
る人に対して、自分たちと同じ方向へ変えてい
くほど、私たちには資源(主に時間)がありま
せん。
だからこそ、現実的な手段として、経済的損失
を最小限にしながら、その人には「別のバス
(他社)を探してもらう」と決然と方向を決め
ることです。
価値観の違う人と机を並べ続ける状態は、他の
真面目な社員を軽視することと同じであり、
結果として組織全体のモチベーションを腐らせ
る最大の要因になってしまうからです。
■思い切って問題社員と決別し、価値観を重視
した採用を進める。そして、会社や仕事をして
いる目的となる経営理念や行動指針の共有とい
うお互いの「心」を磨き上げること。
そして、業務フローやマニュアルなどの標準化
といった「科学」を同時進行で推し進めること
で、組織が劇的に生まれ変わり、業績を伸ばし
ていく姿に、何度も立ち会ってきました。
大切なことはリーダーが腹を決めること。
まぁ、会社を良くするための決断で、
命まで取られることはありません。
だからこそ、勇気を持って現実と向き合い、
一歩を踏み出していきたいと思った次第です。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も皆さまにとって、
最良の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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「何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ。
やがて大きな花が咲く」
後藤清一 (元三洋電機副社長 1906~2003年)
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