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増収増益企業は、何を売っているのか

■日経新聞の紙面では主に上場企業が取り上げ
られ、この四半期も純利益が7割増。といった
好調な業績が報じられています。




一方、中小企業に目を向けると、物価高や人手
不足などの影響により、今年上半期の倒産件数
は高い水準にあることがデジタル版に掲載され
ていました。




専門機関の調査によると7月の倒産状況は次の
とおりです。


・負債1億円未満:795件、全体の77.3%

・従業員10人未満:全体の89.9%

・中小企業の構成比:100%


こうした数字からも、大企業と中小企業の間で
業績の二極化が進んでいることがうかがえます。


しかし、筆者の実感では、中小企業のうち約1
割は、現在も増収増益を続けています。実際、
筆者の顧問先にも、過去最高益を更新し続けて
いる会社が少なくありません。


今回はこのような環境の中でも、中小企業が繁
栄し続けるヒントを共に考えてみたいと思いま
す。





■これからの中小企業経営でますます大切にな
ってくるのは、


「高付加価値を起点とする好循環」
をつくることです。





現在、ありがたいことに既存の顧問先だけで手
いっぱいのため、新規のご相談はスポットに限
ってお引き受けしています。


その際、最も多くいただくのが、
「どうすれば業績を向上させられるでしょうか」
というご相談です。


しかし、業績は一つの施策だけで上がるもので
はありません。上図のような好循環をつくるこ
とが重要ですが、その全体像に気づいている経
営者は、まだ多くないように感じます。





■先に掲げた図表では好循環の起点を次の二つ
としています。


1,    特定のお客様が抱える重要な課題を深く理解する

2.その課題を解決する高付加価値商品・サービスを開発し、提供する


まずは、この二つに最低でも1年以上、腰を据
えて取り組むことです。


お客様の声を聞き、仮説を立て、商品やサービ
スを改善する。その積み重ねが、やがて価格決
定力や粗利益、生産性の向上へとつながってい
きます。





■では、特定のお客様の重要な課題を、どのよ
うに理解すればよいのでしょうか。


有効な方法の一つは、十分に考えた質問項目を
用意し、お客様側のキーパーソンと複数回、
直接お会いすることです。


対話を重ねながら、相手が本当に困っているこ
とや、まだ言葉になっていない課題を明らかに
し、双方の共通認識にしていきます。





■文章にすると簡単に見えますが、私たち中小
企業では、これを主に営業担当者が行うことに
なります。


ところが、営業担当者にも会社にも、必要な知
識や経験が十分にない場合、思うような成果が
出ず、試行錯誤を繰り返すうちに、取り組みそ
のものが立ち消えになりがちです。


それでも諦めず、学び、改善しながら続けてい
る会社が、先ほどお伝えした約1割の増収増益
企業群なのです。


難しい課題の多くは、不可能なのではありません。
実現までに時間がかかるだけのことなのです。





■それでは、「高付加価値を起点とする好循環」
を、どのようにつくればよいのでしょうか。


まず、付加価値は以下の5つに大別されます。


お客様との対話を通して本質的な課題をつかみ
それが5つのうち、どの価値に当てはまるのか
を考えます。


そして、その課題を解決する商品やサービスを
開発し、提供していきます。








■わかりやすい事例として、中古車販売業を
例に考えてみます。


ご存知ように中古車は車種や年式、走行距離な
どのスペックと価格が明確です。そのため、差
別化が難しく、価格競争に陥りやすい業種の一
つです。


従来型の中古車販売会社を、
「中古車を仕入れ、販売する会社」
と定義するならば、


高付加価値型の会社は、
「お客様の移動とカーライフ全体を、購入前
から買い替えまで支援する会社」
と定義できます。



具体的には、中古車を販売する過程で、
次のような支援を行います。


・家族構成、使用目的、年間走行距離、予算を丁寧に確認する

・車種だけでなく、保険、整備、車検、買い替えまでの計画をつくる

・燃料費、税金、整備費、将来の下取り価格を含めた「総保有コスト」を示す

・納車後も、定期点検、車検、事故対応、買取、買い替えまで支援する



例えば、お客様が安い車を求めていても、将来
の修理費や燃費まで含めると、別の車を選んだ
ほうが経済的な場合があります。


そこで、車両価格だけではなく、


「5年間で実際にいくらかかるか」


を比較して示せれば、お客様は購入後まで見通
した判断ができ、販売会社も、単純な価格競争
から一歩抜け出すことができます。



すなわち、販売するものを「車そのもの」から

・安全な移動

・家族の安心

・故障を心配せずに過ごせる生活

・買い替えまでを見通した資金計画

へと広げていくのです。



これが高付加価値の提供であり、価格決定力を
高め、継続的な高業績につながる出発点になる
のだと思います。





■中小企業の強みは、お金を使わなくても、
知恵をだすことで、高付加価値化できること
です。


私たちは、商品そのものではなく、お客様に
どのような安心や未来を提供できるでしょうか。


以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


今日も皆さまにとって、
最良の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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最も重要なことは、顧客の立場に立って考えることである。

ヘンリー・フォード(企業家 1863~1947年)
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