中小企業の持続的成長は、粗利益率の改善と現場起点の経営にあり
■マスコミは、連日、アメリカ大統領の政策から
各国がその対応に苦慮している内容を報道してい
ますが、
日本のGWは、各地で多くの人が楽しんでいる
ようすが、テレビなどで映し出されていました。
あらためて、80年続いている平和の有り難さを
感じた休日でした。
■さて、4月28日、中小企業庁から
「2025年度版中小企業白書」が発表されました。
この白書は毎年確認しており、過去10年の主な
テーマや方向性をまとめたものが下の表です。

この表をみますと、「人手不足」が継続
して大きな課題として取り上げられていることが
わかります。
過去10年で大きく取り上げられなかった年は
コロナ禍の始まった2020年から4年間で、
その他の年は重点的に取り上げられています。
「人手不足」とその対応について、本欄でも何度
か取り上げてまいりましたが、今回もその対応に
ついて考えていきたいと思います。
■「人手不足」の環境下であっても、私たち
中小企業が、成長し続けるには、以下に示した
「好循環のサイクル」を回していくことが大切です。

すなわち、経営理念の理解・実践・浸透を軸に
好業績~高待遇~採用~育成~成長~好業績の
循環を回していくことです。
上の図は過去の本欄でもご紹介しましたが、
今回は、その起点となる「好業績」について
少し掘り下げて考えてみたいと思います。
■好業績を実現するための第一歩は、
「高粗利益率の成功事例を作り上げること」です。
その際、粗利益=売値-原価の数式から、
原価を下げる打ち手より、
売値を上げる方策に力をいれることです。
売値を上げるためには、「付加価値」を上げ
なければなりません。
「付加価値」とは読んで字のごとく、
「価値」を「付け加える」ことです。
つまり、企業側の都合や作り手の論理
(プロダクトアウト)ではなく、
お客さまが本当に求めているもの(価値やニーズ)
を徹底的に追求し、それに応えることで販売活動
が不要になるほど自然に売れる仕組みを作ること
です。
■筆者が、年商3億円で債務超過の会社を
株式上場に導いた大きな要素の一つが、
「付加価値」の創出活動でした。
具体的には、入社した当初、一営業担当として
現場でお客さまと接した経験から、この会社の
主力商品を
「広告」から「広告の効果=集客」
と再定義したのです。
■お客さまにとって、広告を出す動機は売上を
上げるためですので、広告を出し、その対価に
見合った広告効果=集客=売上増が実現できれば
機会があった際に、再度利用していただける
可能性が高まるわけです。
それまでの営業会議では、精神論で売ることが
話され、営業パーソンは業績を上げるために、
値引きを行い、定価はあってないような状態で
したので、粗利益率は格段に上がりましたし、
売上も上がり続けました。
■まずは、粗利益率が10%以上高まる方策を
考えることです。
上記事例は、主力商品の定義付けを見直したこと
から始まりましたが、会社によっては、違う商品
群・違う地域・新たな商品や地域にある場合も
あります。
多くの場合、そのヒントは現場にあり、
お客さまが持っています。
SWOT分析などのフレームワークを使ったり
SEO(検索エンジン最適化)や、
LPO(ランディングページ最適化)などの
デジタルマーケティングの活用も重要ですが、
最終的には「現場の一次情報」に触れることが、
最も価値ある気づきにつながります。
そこには未来の会社を成功に導くヒントが
必ず隠されているはずです。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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「現場に答えがある。」
大山健太郎
(アイリスオーヤマ創業者 1945年~)
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