「人を大切にする会議」の実践
■先週の金曜日(5/9)の夕方、銀座での打合せ
を終え、久しぶりに銀座中央通りを4丁目から
1丁目辺りまで歩いてみました。
通りを歩いてみると、通行人の7割~8割が外国
人の旅行者であることにビックリしました。
以前、家族で京都の金閣寺に行ったときに
私たち家族以外は中国人観光客だった時も
おどろきましたが、
今回、銀座を歩いている人たちの国籍は種々雑多
で、何語を話しているのかは分かりませんが、世
界各国の言語が聞こえてきます。
あらためて、日本が世界中から人気の観光地であ
ることを体感しました。
■同じく先週、かかわっている会社の会議に参加
しました。この会社では、昨年6月に行った幹部
合宿で、会議体の方向性を変えることを決めまし
た。
そして、今年1月から会議体の内容を大きく見直
し、修正をくわえながら迎えた5回目の会議です。
毎回、会議の前に社長・専務と打ち合わせを行い、
前回の振り返りから、今回の会議の方向性や内容
をすり合わせながら準備を進めています。
■ファシリテーターを務めるのは、現社長の長男
である専務です。
進行役であるファシリテーターは
「対等な仲間の一人」として場をつくることに
留意し、進めていきます。
専務が発する言葉は「問いかけ」がベースです。
例えば、「どう思いますか?」「他にアイデアは
ありますか?」などの言葉で、参加者の考えを
引き出すスタイルです。
そして、発言を遮らない・否定しない・正解探し
をしないので、役職や立場に関係なく意見を言い
やすくなり、いわゆる心理的安全性が高まってい
ることが感じられます。
■4月から新たに加えた議題の一つが、
「よかった取引(業務)事例」の共有があります。
今回、ファシリテーターは参加者一人ひとり、
全ての参加者から「よかった取引(業務)事例」
について、丁寧に質問し、その内容の解像度を上
げていきました。
幹部はその質問に答えることで、取引の内容を
振り返り、それに携わった部下のガンバリに
ついて語り始めます。
会議の後半には賞賛と拍手が自然と沸き起こる、
温かい雰囲気が広がっていきました。
■この会社は「人を大切にする経営」を
標榜・実践する会社ですが、
会議体においても、上意下達型ではなく、
共創・信頼・自律をベースとした
「会社から仲間へ」の思想で議事を進めています。
管理中心の従来型会議の場合、
会議は、報告と指示の場になり、
モノゴトは「上司が決め」、
上司の評価を意識して参加者が萎縮してしまう
ことも少なくありません。
一方、この会社の会議のように「会社から仲間へ」
の思想で議事を進めることで、
全員参加型の対話・共感・創造の場になり、
「みんなで築く」風土が醸成され、
安心して意見が言える雰囲気がつくられます。
■今年に入り4ヶ月。1/3を経過した時点で
この会社の売上と粗利益額は、前年対比110%
を超える状況で推移しています。
さらに素晴らしいことは、今回の会議を夕方に終
え、翌朝1番には、全社員が目にする掲示板に前
日の会議で共有された「よかった取引(業務)事
例」が、担当者の名前入りで十数件分貼り出され
ていたことです。
自分の体臭が気にならないのと同じように自社の
会議に違和感を抱く方は少ないと思います。
しかし、会議は組織の“日常の中のもっとも象徴
的な行為であり、無意識のうちにその会社の
「本質」をあらわすものです。
本文が、皆さんの会社における会議のあり方を
振り返るきっかけとなれば幸いです。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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「嘘でない心からの賞讃を与えよう。
心から賛成し、惜しみなく賛辞を与えよう。
相手は、それを心の奥深くしまい込んで、
終生忘れないだろう」
デール・カーネギー(作家 1888~1955年))
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