成長する企業は、なぜ数字に強いのか?
■今週は月曜日の宮城県からはじまり、土曜日の
愛知県まで、6日間で顧問先6社を訪問。
100億円企業プロジェクトや年次キックオフミ
ーティング、役員・幹部合宿などが続き、その間
にWEB面談3件と、密度の濃い週ですが、感謝
に満ちあふれて走っています。
今回は、会社経営の“コックピット”ともいえる
会計について情報を共有したいと思います。
■会計については、勉強熱心な経営者の方でも、
それを戦略的に使いこなしている方は意外と多く
ありません。
とくに中小企業では、税理士さんが作成した
「2ヶ月前の会計データ」に頼っているケースが
多く見受けられます。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、会計に
は大きく分けて3種類の制度があります。
■3種類の会計制度とは、下表にある
・税務会計
・管理会計
・財務会計です。

多くの中小企業で使われているのは「税務会計」
ですが、これは“納税のため”の会計です。
つまり、利用者は経営者ではなく税務署なのです。
■筆者は、かつて上場企業に新卒で入社し、
初年度から管理会計に基づいた思考と習慣を
身につけました。
その後、中小企業に移り、管理会計を活用して
株式公開を実現した経験があります。
これらの経験から、管理会計の持つ力を、
まさに実感として理解するようになりました。
■管理会計を使いこなしている方には共感してい
ただけると思いますが、管理会計を使っているか
否かは、
「ナビゲーション付きで運転しているか」
「地図もコンパスもなく走っているか」
という違いに相当します。
実際、中小企業から世界的企業に成長した京セラ
も、管理会計思想を基盤とする「アメーバ経営」
を活用しています。
その主な特徴と効能は、
・各部門(5~20名単位)で損益計算を行い、収支責任を明確化
・部門ごとにPDCAサイクルを実行
・自律的な意思決定と運営を可能にする構造
・社員一人ひとりが数字を“自分ごと”として捉える文化の醸成
・次期幹部や経営陣の育成につながる仕組みなどがあります。
■税務会計だけに依存している経営は、地図も
ナビもない状態なので、勘や経験での経営に陥り
がちです。
一方、管理会計というナビ機能を取り入れること
で、企業は進むべき方向を明確にし、変化への
スピード感ある対応が可能になります。
そして何より大切なのは、社員さん一人ひとりが
自らの仕事を“自分ごと”として捉え、主体性を
持って成果に取り組むようになること。
組織全体が
「経営に参画する文化」へと進化する。
これこそが、管理会計がもたらす最大の価値だと
実感しています。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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「現場で数字を自分ごとにできる組織は、強い。」
稲盛和夫(経営者1932~2022年)
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