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日常

流行語に惑わされず、「足元の一歩」を丁寧に

■先週は宮城県での100億円企業プロジェクト
から始まり、土曜日は静岡県で創業75年の会社
の役員・幹部合宿と密度の濃い1週間でした。


そのせいか、帰宅した土曜日は11時間グッスリ
と眠ることができ、

『まだ、こんなに眠れるんだ』

と、ちょっと嬉しい気持ちになりました。


今週も感謝に満ちあふれて走り続けていますが
月曜日、移動中の新幹線で目にした新聞記事に
思わず苦笑いをしたことについて共有します。





■その新聞記事は6月30日の日経朝刊。
そして、苦笑いしたのは、社長が社員にむけて


「今日は私のことを気軽に『エディー』と呼んで
ください」。という箇所でした。


記事ではその目的を<堅苦しい肩書を取り払い、
フラットに語り合う職場風土を醸成する狙いだ>
と解説しています。


先の言葉を発した社長も、本気でそう思っていら
っしゃると思います。





■さらにその背景として、経済環境の変化に応じ
て進化が続くダイバーシティ。

先端企業が今、注目するキーワードがビロンギン
グ(Belonging)だ。新型コロナウイルス禍の際
にリモートワークなどが広がり、働き手の心は
会社から離れた。

強引に振り向かせても社員のモチベーションは上
がらない。

一人ひとりの個性や希望を尊重しながらも、組織
への貢献意識をどう高めるか――この難題を解く
カギが「B」だ。と述べています。





■いかにも頭のいい人が考えてつくられた
ビロンギング(Belonging)という言葉。


しかも記事では
<先端企業が今、注目するキーワード>
と表現しています。


このような経営の流行言葉には

・ダイバーシティ経営

・ジョブ型雇用

・エンゲージメント

・人的資本経営

・ウェルビーイング

・パーパス経営・・・などなど


と数えあげたらキリなくでてきます。


しかし、これらの言葉の本質は従来から説かれて
いる思想の表現を変えたものと認識しています。





■たとえば、
<堅苦しい肩書を取り払い、フラットに語り合う
職場風土を醸成する狙いだ>というなら


上司の不機嫌な状況の時間を少なくし、
社員さん同士が目を見て挨拶する。
ことから始めればよいのであって、
社長がいきなり


「今日は私のことを気軽に『エディー』と呼んで
ください」。


と漫画のようなことを真面目に書いている記事に
苦笑したのです。


しかし、大企業のみならず私たち中小企業経営の
なかにも似たようなことがあるのも現実です。





■「不易流行(ふえきりゅうこう)」という言葉
があります。俳人の松尾芭蕉が提唱した思想です。


不易(ふえき)とは、時代が変わっても変わらない本質や価値。

流行(りゅうこう)とは、時代に応じて柔軟に変化すること。


企業経営においては本質(不易)を語ることで
あり、それはどんな時代にもぶれない軸を語り、
実践する


さらに、変化(流行)を受け入れる柔軟性をもち
時代に応じて自らも学び、挑戦~変化することで、


筆者はそれらへの注力の割合を体験から
不易は、基本の徹底で、日々の反復訓練を8割。
流行は、変化への挑戦で、継続的に2割を投入。
と考えています。





■今週、顧問先の役員と、顧客満足度の向上と
生産性向上について対話していた際、この話題と
なり、ユニクロの事例を共有しました。


ご存じの方も多いと思いますが、ユニクロでは
自動精算レジを導入し、顧客の待ち時間を大幅に
削減。その一方で、現場スタッフの業務効率も向
上し、まさに満足度と生産性の両立を実現してい
ます。


これは、「お客様を待たせない」という普遍的な
価値(不易)を守りながら、テクノロジーという
新しい手段(流行)を積極的に取り入れた好例と
言えるでしょう。





■今回の新聞記事を通じて改めて感じたのは、
言葉の新しさに惑わされるのではなく、その奥に
ある“行動の本質”に目を向けることの大切さです。


時代の流れに柔軟に対応しながらも、変わらない
基本を地道に積み重ねていく。


その一歩一歩の姿勢こそが、組織に信頼を生み、
持続する強さを育てていくのだと、今あらためて
感じています。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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「成功とは、日々の小さな努力の積み重ねである」

ロバート・コリアー(著述家 1885~1950年)
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