言葉が組織の空気をつくる
■先週は首都圏での仕事が月曜日~金曜日と続き
土日は前週に引き続き、完全オフ日。
今週は21日の祝日から稼働し、今、新幹線でこ
の文を書いています。
梅雨明けの清々しい休日は、気になっていた窓掃
除や身の回りの整理(断捨離)をして、気持ちも
整いました。
筆者の関係しているほぼ全ての会社は、コロナ禍
の影響を除けば、10年以上にわたり増収増益を
続けている会社ばかりです。
先週もそれぞれの会社の経営者や幹部、社員の皆
さんと話す機会があり、そこで改めて強く感じた
ことがあります。今回はその対話をつうじて、得
た気づきを共有します。
■それは、「言葉の力」の大切さです。
お会いした経営者や社員さんたちが使っている言
葉に耳を傾けていると、圧倒的にポジティブな表
現が多いことに気づきます。
「できることからやってみよう」
「今回の失敗には、きっと意味がある」
「この経験が、次につながるはず」
そんな言葉が、自然に飛び交っているのです。
かかわっている会社で好業績が続いていることは
先ほど述べましたが、
社内で発せられている言葉の質と、業績には強い
因果関係があるように思います。
■実際に、組織心理学の研究でもそれは裏付けら
れています。
たとえば、Felpsらの研究(2006年)では、
「ネガティブな感情や言葉」が職場に蔓延すると
チーム全体の機能や成果が大きく下がることが、
「腐ったリンゴ効果」として報告されています。
一方で、「感謝」や「前向きな言葉」が交わされ
る職場では、心理的安全性が高まり、創造性や協
調性、全体のパフォーマンスが向上することが指
摘されています(池田 2015年)。
このようにポジティブな言葉や感情を意図的に引
き出す重要性は、学術的にも立証され、なんとな
く分かっている(つもり)方も多いと思います。
■しかし、現実はどうでしょう・・・。
一般的な会社で交わされている言葉は
「忙しい」
「ムリ」
「どうせ・・・」
「人が足りないから・・・」
「〇〇してくれない」
このような言葉が、あちこちで聞こえてくるのが
現状ではないでしょうか。
特に経営者からよく聞かれるのは
「うちは特殊で・・・」という言葉です。
その特殊の中には、規模・立地・業種・人財の量
と質、などなど、出来ない理由が次から次と出て
きます。
■それもそれで、うなずける話です。
なぜなら、人は心の中で発する言葉の約8割がネ
ガティブな言葉だとされているからす。
つまり、放っておけば、人の心は自然と否定的な
方向に傾いてしまうということ。
その中で、日々前向きな言葉を意識的に選んでい
る人たち、そしてその文化を作っている会社が、
10年以上にわたって増収増益を続けているのだ
と、筆者は確信しています。
それは、経営者が生まれつきそのような特性をお
持ちの場合と、ネガティブになりがちな心情を学
びと精進・錬磨によってポジティブな心持ちにさ
れているケースに大別されます。
■「私たちの心には、毎朝、雑草が生える」
という言葉があります。
この言葉は、私たち心は、何もせずに放っておく
と、不安や不満・あせり・ねたみ・いかりといっ
た“心の雑草”が自然に芽を出してしまい、そのネ
ガティブな感情が、まるで、手入れをしない庭に
雑草が生い茂るように、心の中を占拠することだ
と体感しています。
だからこそ、毎朝、自分の心に前向きな言葉をか
けて整える習慣が大切なのだと思います。
心を整えるというのは、まるで心の庭の草とりを
するようなもの。
そして、自分自身にも、周囲にも、あたたかな言
葉の種をまいていこう。
そんな想いを新たにした1週間でした。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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「朝に感謝することで、幸せな一日が始まる」
西田幾多郎(哲学者 1870~1945年)
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