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85歳、生涯現役の生き方から学ぶこと

■これまで歩んできた人生、いろいろな分野で、
「師匠」と呼べる方が何人かいらっしゃいます。
その中のお一人から嬉しいお便りが届きました。


手紙の差出人は、埼玉県川口市にある
コミー株式会社(製造業)の創業者
小宮山栄さん(85歳)です。


「コミー」という社名を聞いたことがない方も多
いかもしれませんが、その製品は私たちの身近な
ところで活躍しています。


コンビニやスーパーにある曲面の鏡、銀行ATM
の防犯ミラー、さらには飛行機の手荷物入れにあ
る確認用ミラーも、実は同社の製品です。


特に、国内の万引き対策用凸面鏡では約80%、
旅客機の収納棚確認用ミラーに至っては、なんと
世界でほぼ100%のシェアを誇る、まさに「小さ
な巨人企業」なのです。





■1940年、長野県で生まれた小宮山さんは、信
州大学工学部を卒業後、技術者として大手企業に
勤めます。


元来、口下手で強く主張ができず、他人との意思
疎通がうまくいかない小宮山さんは、失敗ばかり
で3年半で退社してしまいます。


その後、自動車の修理業や百科事典のセールスな
ど職を転々とし、1967(昭和42)年、商店のシ
ャッターに店名などを書かせてもらう看板業で独
立します。


独立と言っても、小さな車庫が仕事場で、夏にな
ると、耐えがたい暑さに悩まされました。
当然、トイレなどなく、道を挟んで向かい合う小
さな公園の公衆トイレを使わせてもらうという厳
しい環境での出発でした。





■当時同社は、店先に置く回転看板を扱っていま
した。生来、創意工夫が好きな小宮山さんはある
きっかけで、凸面鏡を背中合わせにつけ、それを
モーターで回す回転鏡看板を考えつきます。


その製品を展示会に出展したところ、あるスーパ
ーから30個の当時としては大口の注文が入りま
した。


この時、小宮山さんは
「いったい何に使うんだろう?」
と不思議に思ったそうです。

「私は『なぜ』と思ったら、それを徹底的に解決
しないと気がすみません」という言葉の通り、
半年後にそのスーパーを直接訪ね、店長に尋ねま
した。

そこで初めて知らされたのが、「万引き防止用」
という意外な用途でした。この用途を知った小宮
山さんは、製品の可能性に大きな希望を見出しま
す。

その後、販売業者から、小売店の万引き防止用に
多くに引き合いがあったことなどから、小売店向
けのニーズが高いと判断し、本格生産に入ります。    
これが、コミーが看板屋から世界一のシェアを獲
得する転機となった出来事です。





■コミーには、年に1〜2回、全社員でユーザー
を訪問する「一斉US(ユーザー)訪問」という
ユニークな制度があります。


訪問先では、製品の使用状況を写真撮影。
製品の使い勝手や要望などを聞き取り、レポート
にまとめ、社内発表しています。

この地道な活動が、新製品の開発や既存製品の改
良に繋がっているのです。


このような中小企業のお手本となるような会社
を育て上げられた人が小宮山さんです。





■さらに小宮山さんは、2006年の社長在任中に
国際箸学会を立ち上げ、現在も活発にその活動を
続けていらっしゃいます。


こうして、けっして器用といえない小宮山さんが
自分の強みを活かして、コツコツと努力を続け、
世のため人のために、生涯現役で働かれている姿
は多くのことを教えてくれます。



生涯現役で働くその力強い背中。

「なぜ?」という好奇心を持ち、それを徹底的に
追求する姿勢。

そして、何事にも真摯に向き合い、感謝の気持ち
を忘れないこと。

いただいたお便りを拝見し、改めてそのお人柄と
生き方に感銘を受けた次第です。


コミー株式会社
https://www.komy.jp/

国際箸学会
https://www.kokusai-hashi.org/


以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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「青春とは、人生の或る期間をいうのではなく、
心の様相をいうのだ。」

サミュエル・ウルマン
(実業家・詩人 1840~1924年)
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