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『圧勝の創業経営』【読書メモ】

■先週は土曜日まで仕事があり、その日のうちに
新幹線で帰宅しました。帰宅したのは18時ごろ
で、外はまだ明るかったので、自宅のすぐ前にあ
る運動公園で1時間ほどジョギングをして、とて
も爽やかな気分で汗を流すことができました。


この運動公園には立派な土俵もあります。
また、以前ブログにジョギング中の写真を載せた
際に、田園風景が広がっていたことから、ご覧に
なった人たちから
「思っていたより田舎に住んでいるんですね」と
言われたことがあります。


ただその田園風景は自宅から15分ほど走った先
のもので、実際の住まいは駅やイオンまで歩いて
5分というアクセスの良い場所です(笑)





■今回は、土曜日の帰路、新幹線の中で読んだ
『圧勝の創業経営』
(著:安田隆夫氏/ドン・キホーテ創業者)の
読書記録を共有します。




安田氏の著した文春新書『運』は、以前本欄でも
ご紹介させていただきました。

この本は、SBIホールディングスの北尾吉孝氏が
「経営書として、人生の指南書として、常に傍に
置いておきたい」とコメントしているように、内
容の濃い本で、その後も何度か読み返しています。


安田氏の書いた本はそのようにインパクトが大き
いので、今回、地方都市の本屋さんでその表紙を
みて即時購入しました。





■あとがきから読み始めてビックリ、
2025年7月20日の初版発行時点で、
役員と一部幹部だけが知っている安田氏が最末期
のガンを患っていることをカミングアウトしてい
るのです。


前作『運』が人生や経営に対する基本的な価値観
や運命観を述べているのに対し、
『圧勝の創業経営』ではそれらを土台にした実践
的な創業経営論や、他の創業経営者らとの対話に
よる考えの深化と応用が描かれています。


両書をあわせて読んだことで、安田氏が主張する
人生観や経営哲学がより立体的に理解できたよう
に感じました。





■ご存じの方も多いと思いますが、安田氏は
1950年、岐阜県生まれ。ドン・キホーテは、
創業以来三十四期連続で増収増益を成し遂げ、
売上二兆円の日本を代表する企業です。


本書での対談相手は、以下の人たちです。


◎北尾吉孝氏(SBIホールディングス代表)
・サラリーマン社長と創業社長は「競技種目」が違う
・量をこなさないと質は上がらない
・長く繁栄し続ける企業の共通項とは?
・すべては現場から変わる
・トップの想いが会社を変える など


◎似鳥昭雄氏(ニトリ会長)
・金も知識も人脈もない「恵まれない幸せ」
・「任せる力」が運を開く
・後継者は革命ができる人がいい
・逆境は最大のチャンス
・目の前の困難こそが成長の種 など


◎藤田晋氏(サイバーエージェント社長)
・「必ず勝つ」という気迫が勝利を呼び寄せる
・細かいことを気にして全体を間違える人たち
・成功者であると同時に大失敗者でもある
・リスクを取る者こそが生き残る
・負けることでしか得られないものがある など


◎入山章栄氏(早稲田大学ビジネススクール教授)
・社員に「腹落ち」させられるか
・これから求められるのは「暴走族のヘッド」
・「いい子」の仕事はAIに奪われる
・現場を動かす共感力
・組織の文化が運命を決める など


どの対談も創業からの泥臭い体験をつうじて得た
リーダーシップの在り方や、考え方の実践知を深
く語っており、経営のノウハウ本にあるものとは
違った重みのある内容でした。





■最後に、本の中で深く感じ入った言葉を列記し
ます。


・本書は、おそらく私にとって最後の作品になる
が、今も私の中で改めて、1つの確信が深まって
いる。それは、積極的にリスクを取り、挑戦を続
けるものだけが、仕事や人生において「勝利」を
摑めると言うことだ。


しかも目指すべきは単なる「勝利」ではない。
「圧勝」である。勝って、勝って勝ちまくり、
「これでもか」と言う気迫で大勝ちを取りに行か
なければならない。私はこれを「圧勝の美学」と
呼んでいる。そうやって目一杯の果実を収穫して
おけば、不運が巡ってきたときに耐え忍べるし、
思い切った挑戦をすることも可能になるのだ。


流通業も給料上げていかないと、人材を確保でき
なくなるでしょうね。人材を確保できない企業は
結局のところ淘汰されてしまう。


成功しようとしている人間は挑戦の数が多いんだ
から、そのぶん失敗の数も多いのは当たり前です
よね。私は成功者であると同時に、大失敗者でも
あるんですよ。


リーダーが「俺の言うことを聞け」と言って人を
動かすのではなく、チームの皆が「俺たちで栄冠
を取りに行こう」と自ら動き出す。そうした集団
には「集団運」が備わっているといえます。


最後の最後に、本書読者の皆さんへ、私から渾身
のラストメッセージを贈りたい。それは、『常に
やりたいことができる環境を自らの工夫で担保し
ながら、究極の自由を求めて、誰よりも楽しく充
実した素晴らしい人生と仕事を謳歌してほしい』
と言うことである。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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いくら負けても圧倒的な大勝ちさえあれば良い。

安田隆夫(ドン・キホーテ創業者 1949年~)
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