ブログ
日常

「修身・斉家・治国」70年超黒字企業の経営哲学

■先週は東海地方〜東北地方〜東海地方と行き来
し、その間に首都圏での仕事と、移動時間の長い
週でした。


先週伺った顧問先の中で、創業70年を超える会
社があります。現在、60代の3代目社長と、30
代のご長男が専務を務める製造業の会社。


今回はこのお二人との対話から感じたことを共有
します。





■この会社は、創業以来70年以上黒字経営を続
けています。さらに堅実な年輪経営によって盤石
な財務体質を築いています。


また、おもな顕彰実績は下表のようになります。




このような素晴らしい会社をつくり上げている大
きな要素の一つに、創業者から伝わる、ある考え
方の実践があります。





■その考え方とは、

修身(しゅうしん)

斉家(せいか)

治国(ちこく)

という考え方です。
この言葉は、古代中国から語り継がれている儒教
の中核をなす考え方で、大学(だいがく)という
本の中に出てくる言葉です。



修身(しゅうしん)とは、
自分の心と行いを正しくし、自己を律すること。


斉家(せいか)とは、
家庭をととのえ、家族を和合させること。


治国(ちこく)とは、
国家(会社)をよく治めること。



つまり、まず経営者みずからが自己を磨き、つぎ
に幸せな家庭を築くこと。その土台の上に、いい
会社が生まれるという考え方で、その順を説いて
いるのです。





■この会社の社長は愚直さと誠実さを併せ持ち、
まるで修行僧のようにストイックな日々を過ごさ
れています。例えば、18年間、毎日ブログを書き
続けていることは、その一端を示すものです。


また、専務もご両親や祖父母を深く尊敬し、読書
などを通じて自己研鑽を怠りません。
これらの姿勢が、経営者としての「修身」に当た
ります。


そして、二人とも大変な愛妻家で、幸せな家庭を
築かれています。専務には2人の妹さんがおり、
皆さん家庭を持ちながら社長のご自宅の近くに
住んでいらっしゃいます。


さらに、社長のお子さまたちは、それぞれが2人
ずつお子さんを授かり、計6人のお孫さんに恵ま
れています。


これがまさに「斉家」の実践であり、しあわせな
家庭の延長に、いい会社作りが進められているの
です。





■経営学を駆使して駆け上った会社が、経営者の
不道徳な考え方や行為から転げ落ちていった例は
皆さんもたくさんご存知かと思います。


一方、長きにわたり繁栄している会社は、古典に
説かれている思想を実践し続けています。
多くの経営者を見てきましたが、この事実に例外
はありませんでした。


現在の経営学が生まれたのは、建国から250年
程度のアメリカで、儒教はじめ古典は、2,500年
以上前から語り継がれ、多くの成功を支えてきま
した。





■筆者が著作などで、経営=心+科学と唱えてい
ることは、このような事例や体験が基にあります。


経営学という科学は、使い方によって有益な道具
となります。しかし、それを使う人の心あり方が
より大切なのです。


と、えらそうに書き連ねてきましたが、
家庭での筆者は、毎日のように妻から注意をうけ
る未熟者です(笑)。


けれど、その叱咤や反省があってこそ「修身」が
成り立つのだと実感します。まずは自分自身から
日々、古典の教えを一つひとつ、実践していこう
と改めて思った次第です。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

―――――――――――――――――――――
「人生は克己の二字にある。
これを実行するところに成功があり、
これを忘れるところに失敗がある」

安田善次郎(安田財閥の祖 1879年- 1936年)
―――――――――――――――――――――


Copyright(c) hibikorearata All rights reserved.