創業100年企業が持つ「心地よい氣」の正体
■先週は、北海道~東北~首都圏と土曜日まで
仕事をし、日曜日は終日セミナーを受講する密度
の濃い週でした。
その合間には、顧問先2社の新年度全社ミーティ
ングにも出席しました。いずれの会社もこれまで
の成長の歩みを実感でき、さらに今後の発展を強
く期待できる、大変意義深い内容のイベントでし
た。
■今回は、先週、帯広で立ち寄った2軒のお店で
感じたことをもとに、永く続く経営のヒントにつ
いて考えてみたいと思います。
2軒のお店とは、創業100年以上の歴史を持ち
帯広の “駅前の顔” 的存在である、ふじもり食
堂さん。
同じく創業90年以上、マルセイバターサンド
で有名な六花亭本店喫茶室さんです。
どちらのお店も、入った瞬間にとても心地の良い
「氣」をかんじました。
席についてみると、そのいい「氣」は、働いてい
る人たちが発しているものだとすぐにわかりまし
た。

(両社HPより)
■その「氣」は、働いている人たちが、お互いを
信頼しあい、自分の仕事に誇りをもって取り組ん
でいることから生まれているように感じたのです。
それは、働いている人の所作や、丁寧な会話、自
然なアイコンタクトなど、すべてから伝わってき
ました。
お店はそれほどに新しくないけど、スミズミまで
磨き上げられていて、提供される商品が美味しい
のは当たり前。
これが、地元の人以外でも何度も足を運びたくな
る店の本質、永く続く現場の姿なのだと体感しま
した。
■この感覚は、慶應義塾大学名誉教授で、幸福学
の権威でもある前野隆司さんの研究成果とも一致
します。

(https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/well-being/)
世界中の研究では、はたらく幸せを実感している
従業員ほど、個人のパフォーマンスが高く、所属
組織のパフォーマンスも高い傾向が、数多く確認
されています。
反対に、はたらく不幸せを実感している従業員ほ
ど、個人パフォーマンス、組織パフォーマンスと
もに低下してることも立証されています。
先にご紹介した帯広の2店は、はたらく人の幸せ
の7因子(の一部)を自然に満たしている状態に
あるといえるでしょう。
■では、私たち中小企業経営にかかわる者にとっ
て、どのようにしてはたらく人の幸福感を高める
かについて考えてみますと
まず、経営者や上司が常に笑顔でいることが大切
なのだと思います。。
こう書くと、「なんだそんなことか」。
と感じる方もいらっしゃると思います。
では、目をとじて、ご自身のまわりの人たち3人
の顔を思い浮かべてみてください。
多くの笑顔が思い浮かんだ方は、ご自身も笑顔で
仕事をされていることでしょう。
しかし、よのなかを見渡すと、眉間にシワを寄せ
て、むずかしい顔をして働いている人が多いのが
現実です。
これは、経営者や上司の表情が「鏡」となって映
し出されている結果ではないでしょうか。
■はたらく人のやる気を高めるために、目を外に
向け、人事制度などを導入し、成果を期待する方
は多く見聞きしますが、スグに効果が出たという
事例を知りません。
これは子育てと通じるものがあると感じています。
筆者は子を授かったときに、妻とともに十数冊の
本を読み、その中からお互いがしっくりと感じる
ことのできる内容を、自分たちのあり方として目
指してきました。
その中から、ドロシー・ロー・ノルトさんが書い
た『子は親の鏡』という文をご紹介します。
けなされて育つと、子どもは人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安げな気持ちでいると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば
子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
経営者や上司が、社員さんを理解し、褒め、穏や
かな「氣」をもって接することが、はたらく人た
ちの幸福度を高め、ひいては永続的な会社の成長
につながるのではないでしょうか。
子育ても、人育ても、ともに学ぶことだとつくづ
く感じています。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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「やってみせ 言って聞かせて させてみて
褒めてやらねば 人は動かじ」
山本五十六(海軍軍人 1884~1943年)
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