氣の流れと想像力
先日、与党の新しいリーダーが選出されました。
この変化は、国内に新しいムードをもたらし、株
式市場もこれを肯定的に受け止め、株価にその期
待が反映されているようです。
筆者は「気」と「氣」を使い分けています。
ご存知の方も多いと思いますが、「气(きがま
え)」の中に「米」が入っている「氣」の本来
の意味は、米を蒸したときに立ち上る湯気の様
子を表しています。この「米」は、日本人にと
って生命の源であり、エネルギーの象徴です。
また、湯気のように八方(米)に広がり、生命力
や活力、勢いを持つエネルギー。それが「氣」で
あり、「元氣」「勇氣」といった言葉で、エネル
ギーが満ち溢れた状態を表現します。
今回の新しいリーダー選出によって、この「氣」
の流れが変わり、「景気」がさらによくなること
を心から願っています。
■先週、顧問先の30代の専務が何気なく発した
言葉が、深く心に響きました。
その言葉とは、工業団地の一角にある自社の工場
が、将来、周囲の土地も全て取得し、広大な規模
に拡大している姿を明確にイメージしている、と
いう内容でした。
その言葉には、私利私欲に根ざさない純粋な未来
への熱意と力強さがありました。私は、これは必
ず現実のものとなるだろうと直感しました。
■この専務の「鮮明な想像」こそ、人生や経営に
おける「想像力の力」が持つ、驚くべき可能性を
示しているのです。
それは単なる「夢」や「願望」ではありません。
まるで目の前にあるかのように詳細に、感情を
込めて未来を思い描く力。
これこそが、現実を変革し、新しいエネルギーを
生み出す源なのです。
■筆者もこの「想像力の力」を自他の事例から体
験し、確信していますが、ここで京セラの創業時
代のエピソードを思い出しました。
創業時、稲盛和夫氏は社員と共に夜泣きうどんを
すすりながら、「今は小さな町工場だが、皆で頑
張って、町で一番、西京区で一番、京都で一番、
日本で一番の会社になろう」と熱く語りかけたそ
うです。
当時の京セラの規模や状況を考えれば、それは途
方もない「空想」に聞こえたかもしれません。
しかし、稲盛氏が社員に語りかけたのは、単なる
目標の羅列ではありません。氏の未来に対する強
烈な意思、そして鮮明な想像力です。
彼は、その大きなビジョンを「心の底から」「あ
ふれる感情とともに」、明確に思い描き、社員と
共有し続けたことが、現在の京セラの発展につな
がります。
■国も会社も「氣」によって大きく左右されます。
その「氣」の源はリーダーの心の置きどころ。
これからも、決して楽な状況ばかりではないでし
ょう。だからこそ、私たちリーダーが、明るく、
明確なビジョン(未来像)を持ち、熱意をもって
語り続け、明るい未来を共に築き上げていきたい
と、改めて思い直した次第です。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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「思いは必ず実現する。
それは、人が『どうしてもこうありたい』と強く
願えば、その思いが必ずその人の行動となって現
れ、実現する方向に自ずから向かうからです。」
稲盛和夫(経営者1932~2022年)
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