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400万円の賞与を生んだ、経営理念への真剣さ

■先週は、仙台から始まり、翌日は岩手県での幹
部会議、水曜日は都内、木曜日は再び宮城県での
仕事、金曜日午前中は仙台、午後は栃木県と、各
地を回りながら顧問業務に集中して取り組んだ一
週間でした。




■そんな先週、都内の顧問先の社長から、この冬
の賞与は社員一人平均400万円を超える額を
支給できたという、とても嬉しい話を聞きました。


この設備・リフォーム業の会社とは、2015年か
ら関わっていますが、最初からこのような高業績
・高待遇だったわけではありません。


大きな転換点となったのは、2015年から継続し
て行っている幹部合宿です。


合宿では、「経営理念」と「経営計画」を幹部全
員で共有することから始めました。それまでも会
議はありましたが、「経営理念」について真正面
から向き合う機会はほとんどなかったのです。





■当初、「経営理念」と聞いた幹部の反応は決し
て前向きなものではありませんでした。


「理念?」


「そんな抽象的な話でお腹は膨れない」


「現場はそれどころじゃない」


――そんな空気や表情が、はっきりと伝わってき
ました。





■しかし、社長は諦めませんでした。逃げ場のな
い合宿という状況で、幹部一人ひとりと真剣に向
き合い続けました。


理念という心と部門別会計という科学を丁寧に、
粘り強く伝え続けたのです。


今年で16回目を迎えたこの合宿。
その成果は、回を重ねるごとに数字として表れま
した。売上は2倍以上、利益は10倍以上に伸展
し、今回の賞与額へとつながっています。






■そして先週、来年以降の経営について、社長と
対話する中で、印象的な言葉がありました。


「課題は、『経営理念』です。」


社長の真意を筆者は次のように受け取りました。


「今の成功は、まだ『高い報酬』という強い引力
に頼っている部分がある。本当の意味で、社員が
この仕事、この会社に誇りを持ち、自分がいなく
ても理念が自走する組織にならなければ、この幸
せは続かない。まだ、浸透が甘いんです。」


これだけの成果を上げたリーダーが、誰よりも
謙虚に、そして誰よりも真剣に自社の「根源」を
問い続けている。その姿勢に、この会社のさらな
る成長を確信しました。





■「課題は『経営理念』です。」


数字を生み出したのは、現場力や仕組み(部門別
会計)かもしれません。


しかし、その数字を“価値”に変え、未来へとつな
ぐのは経営理念です。


一人400万円の賞与袋の重みを誰よりも知る社
長の言葉だからこそ、そこには何よりも強い説得
力がありました。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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経営理念を掲げるだけでは意味がない。
それに命を吹き込むのは、
経営者の凄まじいまでの真剣さである。

稲盛和夫(経営者 1932~2022年)
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