静かな朝が教えてくれたこと
■今週は、昨日(火曜日)から宮城県に来てお
ります。明日は東京で顧問先を訪問し、金曜・
土曜日はまた宮城県での仕事となります。
今回は、先週の日経記事の言葉から気になった
ことについて考えてみようと思います。
■その言葉とは、キヤノン会長兼社長CEOの
御手洗冨士夫氏が書いた「私の履歴書」の一節
です。
「毎朝7時半から役員たちが集まって『朝会』
を開く部屋だ。」
世界的な企業を率いる方々が、日々こうした時
間を積み重ねておられることに触れ、あらため
て「朝の時間の使い方」について考えさせられ
ました。
■私自身の経験で恐縮ですが、かつて、事業会
社で取締役副社長兼IPO(株式公開)プロジェ
クトリーダーとして働いていた頃の一日の流れ
は、おおよそ次のようなものでした。
7時半出社~9時。
9時までがゴールデンタイム。
緊急度は低くても、重要度の高い業務を行う。
現在位置の確認、業務俯瞰、事業開発、全体観
や大局観の醸成など。
9時から12時。
緊急かつ重要な業務遂行。
各部署とのミーティングなど。
午後~18時。
来客対応、現場周り、社員さんとの対話。
18時以降24時ころまで。
IPO書類の作成など、上場準備業務。
■9時までの朝の時間、特に大切にしていたこ
とは、数字と現場の両面から会社の状態をつか
むことでした。
毎日、預金通帳から経理部にまとめてもらった
現金有高の確認。くわえて、主な支払い計画も
入ったシートを独自に作成し、資金繰り状況が
ひと目で分かるようにしていました。
あわせて、業績の進捗やKPI(重要な経営指
標)を毎日、部門ごとに確認。
これらの情報から会社の状況を定量的につか
んでいました。
一方で、前日に回った現場の5Sの状況や、社
員さんたちの表情や目線、雰囲気などから、
感じたことを振り返り、定性的な側面からも
会社全体のバランスを見つめていました。
数字と現場、その両方を静かに見つめる
この時間が、経営判断の土台になって
いたように思います。
■こうして書いていると、当時、オフィスでの
朝の光景を思い出します。
朝のゴールデンタイムの執務中に、ふと目を上
げると、窓から差し込む黄色とオレンジが混ざ
り合った朝陽がとても美しく、心がすっと落ち
着いた瞬間が何度もありました。
忙しい時期ではありましたが、あの時間があっ
たからこそ、物事を整理し、自分自身も整えら
れていたのかもしれません。
こうした働き方は、誰かに言われたものではな
くその時々で模索しながら自分なりに選んでき
たものでした。
振り返ると、仕事を通じて多くのことを学ばせ
てもらい、成長の機会をいただいたのだと感じ
ています。
■これは苦労話でも、まして、長時間労働を
奨励しているわけでもありません。
当時の夜の業務はIPOという特別なプロジェク
トによるもので、通常業務とは少し状況が異な
っていました。
ただ、慌ただしい毎日の中でも、少し立ち止ま
って考える時間を持つことは、仕事の質だけで
なく自分自身のあり方を整えることにもつなが
っていたように感じます。
■仕事は、成果を生み出すことは手段で、その
目的は人として成長し、幸せになることだと認
識しています。
そして、経営に関わる立場の人たちのそのよう
な後ろ姿を見て、社員さんたちが何かを感じ取
り、仕事に意味や意義を見出していく・・・。
きれいごとに聞こえるかも知れませんが、
仕事も人生もこれが繁栄し続ける法則のような
ものではないかと思っています。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も皆さまにとって、
最良の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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仕事をするということは、人格を磨くことや。
事業は人なり。
松下幸之助(実業家/1894~1989年)
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