会社の未来は、今日の「ありがとう」から
■先週は福岡出張から始まり、火曜日は仙台の
顧問先で、創業社長から新社長へとバトンを渡
す社員総会に参加しました。その後、首都圏の
顧問先での活動を経て、土曜日は静岡市の顧問
先で社員勉強会を行いました。
今回はその社員勉強会から感じたこと、考えた
ことを共有します。
■勉強会を行ったのは、創業以来75年にわたり
黒字経営を続けている製造業の会社です。
東京や名古屋の拠点からも社員さんが集まり、
約70名の皆さんと、午前10時から昼食を挟ん
で午後3時まで、学び合いました。
1テーブル6名。普段あまり接する機会のない
部署の方々と同じテーブルになるよう、席を配
置しました。
最初は少し緊張した様子でしたが、対話を重ね
るうちに表情がほぐれ、午後にはあちこちから
笑い声が聞こえてきました。最後は、とても和
やかな雰囲気で終えることができました。
■今回の社員勉強会のテーマは「幸せ」です。
会社の勉強会といえば、業務スキルや効率化、
コンプライアンスなど、仕事に直接関わるテー
マが多いようです。
今回テーマを「幸せ」としたのは、75年黒字経
営を続ける会社が、25年先の100周年にむけて
よりたしかな成長することを目的としました。
■このテーマを選んだ背景には、社員さんの幸
せと会社の業績との関係を調べた学術研究の成
果が数多く発表されていることもあります。
論文のなかで有名なものにオックスフォード大
学のDe Neveらによるメタ分析があります。
それは339研究、約188万人の社員、82,248の
事業単位、230組織、49業種を統合した研究です。
その結果は、社員の幸福・満足度が高い
会社は
生産性が高い
↓
顧客ロイヤルティが高い
↓
離職率が低い
↓
最終的に収益性が高い
という一貫した関連です。
もちろん、「社員が幸せになれば、必ず業績
が、上がる」とは断言できません。
それでも、社員さんの幸せと会社の業績は、深
くつながっている。そのことを改めて教えてく
れる研究だと感じています。
■勉強会の午前中は、一人ひとりが自分自身の
「幸せ」について考えました。
午後は、仕事を通して誰に、どのような幸せを
届けているのか。そして、この会社が75年間
大切に受け継いできたものは何かを、テーブル
ごとに話し合いました。
その上で、25年後をより良いものにするため
に、自分たちがこれから実践する行動を考え
ました。
■人手不足による倒産が過去最多を更新し続
ける昨今。
「社員の幸せより、まず今期の業績だ」
「今月の数字や、人手の確保のほうが先決だ」
そう思われる経営者の方もいらっしゃると思い
ます。
もちろん、目の前の業績をつくることは大切で
す。会社が存続しなければ、社員さんの雇用を
守ることもできません。
■ただ、ここで少し立ち止まって考えてみたい
のです。
もし自分が、その会社のお客さまだったらどう
でしょう。
挨拶がなく、働いている人たちの表情が険しく
職場にはグチや悪口があふれている。
そんな会社から、また商品やサービスを買いた
いと思うでしょうか。
もし自分が、新しく入った社員さんだったらど
うでしょう。
満足に教えてもらえず、困っても相談しづらく
誰かの悪口が聞こえてくる。そんな職場で
「この会社で長く働きたい」
「この仲間と一緒に頑張りたい」
と思えるでしょうか。
■社員さんたちが気持ちよく働き、そのことが
お客さまへの良い仕事につながり、お客さまに
喜ばれ、その積み重ねが会社の業績となって返
ってくる。
筆者はこれまでの経験と学びから、業績の向上
と社員さんの幸福度の向上は、会社を持続的に
発展させるための両輪なのだと確信しています。
■社員さんが幸せに働くために、給与や休日、
福利厚生などの制度は大切です。
しかし、もっと身近なものがあります。
「おはよう」と声をかける。
助けてもらったら「ありがとう」と伝える。
困っている人がいたら、手を差し伸べる。
そんな職場なら、「ここで働き続けたい」と
思えるのではないでしょうか。
会社が整える制度に、一人ひとりの思いやりが
重なることで、安心して働ける職場風土が育っ
ていくのだと思います。
75年の歩みを受け継ぎ、次の25年へつなぐ。
テーブルを囲む皆さんの笑顔を見ながら、会社
の未来は、こうした日々の関わりの中から育っ
ていくのだと、改めて感じた次第です。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も皆さまにとって、最良の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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事業は人なり
松下幸之助(実業家 1894~1989年)
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